「シャドーイングに挑戦してみたけど、全然ついていけない」「シャドーイングが難しすぎて挫折しそう」
英語学習法として人気のシャドーイングですが、実際にやってみると「できない」「難しい」と感じる方は非常に多いです。実はシャドーイングは英語学習の中でも難易度が高いトレーニングであり、できなくて当然とも言えます。
この記事では、シャドーイングができない・難しいと感じる7つの原因を徹底解説し、それぞれの対処法をお伝えします。さらに、シャドーイングで挫折しそうな方に向けて、より取り組みやすい「リピーティング」という学習法もご紹介します。
シャドーイングができなくても、英語力を伸ばす方法はあります。自分に合った方法を見つけて、無理なく英語力を高めていきましょう。
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そもそもシャドーイングとは?
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、1〜2語遅れで影(シャドー)のように追いかけて発話するトレーニングです。もともとは通訳者のトレーニング法として使われていたもので、リスニング力やスピーキング力を鍛える効果が高いとされています。
シャドーイングの基本的な流れは次のとおりです。
- 英語の音声を再生する
- 音声を聞きながら、1〜2語遅れで同じ内容を声に出す
- 音声が終わるまで追いかけ続ける
このように、「聞く」と「話す」を同時に行うため、非常に高い集中力と英語力が求められます。シャドーイングが難しいと感じるのは、むしろ自然なことなのです。
シャドーイングができない・難しいと感じる7つの原因
シャドーイングができないと感じる原因は人によってさまざまですが、代表的なものを7つに整理しました。自分がどれに当てはまるかチェックしてみてください。
原因1:音声のスピードについていけない
シャドーイングが難しいと感じる最大の理由が、音声のスピードです。ネイティブの自然なスピードの英語を聞きながら、ほぼ同時に発話しなければならないため、処理が追いつかないのは当然です。
特に英語学習を始めたばかりの方や、リスニングに慣れていない方にとっては、音声を聞くだけでも精一杯で、そこに発話まで加わるのは大きな負担になります。
原因2:英語特有の音の変化を聞き取れない
英語にはリンキング(連結)、リダクション(脱落)、フラッピング(はじき音)など、日本語にはない音の変化があります。たとえば「want to」が「ワナ」のように聞こえたり、「good morning」の「d」がほとんど聞こえなかったりします。
これらの音の変化を知らないままシャドーイングをしても、そもそも何と言っているのか聞き取れないため、正確に再現できません。
原因3:語彙力・文法力が不足している
シャドーイングは音を真似するだけの練習と思われがちですが、実はある程度の語彙力と文法力が必要です。知らない単語や文法構造が多い音声を使ってシャドーイングしても、意味のわからない音の羅列を追いかけることになり、効果が大幅に下がります。
目安として、スクリプトを読んで8割以上理解できる素材を選ぶのがポイントです。
原因4:聞くことと話すことを同時にできない
シャドーイングの最大の特徴は、「聞く」と「話す」を同時に行う点です。この「同時処理」は認知的な負荷が非常に高く、英語力の問題というよりも脳の処理能力の問題です。
日本語でも、テレビの音声を聞きながら同時に復唱するのは簡単ではありません。それを外国語で行うのですから、難しいと感じるのはまったく不思議ではないのです。
原因5:発音の仕方がわからない
英語には日本語にない音が多く存在します。「th」「r」「l」「v」「f」などの発音方法を知らないと、聞こえた音を再現しようとしてもうまくいきません。
正しい口の形や舌の位置がわからないまま練習を続けても、間違った発音が定着してしまう恐れもあります。シャドーイングの前に、基本的な発音の仕方を学んでおくことが大切です。
原因6:素材の難易度が合っていない
シャドーイングの素材選びは成功のカギを握ります。ニュース英語や映画のセリフなど、難易度の高い素材をいきなり使ってしまうと、挫折する可能性が高くなります。
自分の英語レベルよりやや簡単な素材を選ぶのが、シャドーイング成功のコツです。「簡単すぎるかな」と思うくらいのレベルから始めるのがちょうどよいでしょう。
原因7:練習方法が間違っている
シャドーイングにはいくつかのステップがあり、いきなり音声を追いかけるだけでは効果的に練習できません。事前にスクリプトを読んで内容を理解する、知らない単語の意味と発音を確認する、まずはゆっくり音読するなどの準備が必要です。
準備なしにシャドーイングを始めると「できない」と感じやすくなるため、正しい手順で練習することが重要です。
シャドーイングができないときに試すべき5つの対処法
シャドーイングが難しいと感じたときは、以下の対処法を試してみてください。
対処法1:スクリプトを事前に確認してから取り組む
シャドーイングの前にスクリプト(台本)を読んで、内容を理解しておきましょう。知らない単語の意味を調べ、文の構造を把握してからシャドーイングに取り組むと、格段にやりやすくなります。
はじめはスクリプトを見ながらシャドーイング(テキストシャドーイング)をして、慣れてきたらスクリプトなしで挑戦するという段階的なアプローチも効果的です。
対処法2:再生速度を落とす
多くの音声プレーヤーやアプリには再生速度を調整する機能があります。まずは0.7倍速〜0.8倍速から始めて、慣れてきたら徐々にスピードを上げていくとよいでしょう。
スピードを落とすことで、英語の音の変化やリズムをしっかり確認しながら練習できます。
対処法3:短い素材・簡単な素材から始める
いきなり長い文章でシャドーイングするのではなく、1文〜3文程度の短い素材から始めましょう。短い素材で成功体験を積むことで、モチベーションを維持しやすくなります。
素材の難易度も、自分のレベルより少し簡単なものを選ぶのがポイントです。TOEICの教材やNHKの英語講座など、スクリプト付きの教材がおすすめです。
対処法4:マンブリング(小声シャドーイング)から始める
いきなりはっきり声を出すのが難しい場合は、マンブリング(小声でぶつぶつと声に出す)から始めてみましょう。口を動かすことに慣れてから、徐々に声を大きくしていく方法です。
マンブリングなら通勤電車の中など、場所を選ばずに練習できるメリットもあります。
対処法5:それでも難しければリピーティングに切り替える
ここまでの対処法を試してもシャドーイングが難しいと感じるなら、無理にシャドーイングを続ける必要はありません。シャドーイングの土台となる「リピーティング」から始めることで、着実に英語力を伸ばすことができます。
次の章で、リピーティングがシャドーイングの準備として最適な理由を詳しく解説します。
シャドーイングが難しいならリピーティングから始めよう
シャドーイングで挫折してしまいそうな方にぜひ試していただきたいのが、「リピーティング」です。リピーティングはシャドーイングよりも取り組みやすく、しかもシャドーイングの土台となるスキルを効果的に鍛えることができます。
リピーティングとは
リピーティングとは、英語の音声を聞いた後に一時停止し、聞こえた内容を真似して声に出すトレーニングです。シャドーイングとの最大の違いは、「聞く」と「話す」を分けて行う点です。

| 項目 | シャドーイング | リピーティング |
|---|---|---|
| やり方 | 音声を聞きながら同時に発話 | 音声を聞いてから一時停止して発話 |
| 難易度 | 高い | 比較的低い |
| 認知負荷 | 非常に高い(同時処理) | 低い(順番に処理) |
| 鍛えられるスキル | リスニング・発音・英語の処理速度 | リスニング・発音・記憶保持力 |
| 初心者向き | △(挫折しやすい) | ◎(取り組みやすい) |
リピーティングがシャドーイングの土台になる理由
リピーティングでは「聞く」と「話す」を分けて行うため、一つひとつの作業に集中できます。聞き取った英語をしっかり記憶し、正確に再現する力が身につくため、シャドーイングに必要な基礎力を効果的に鍛えられます。
具体的には、リピーティングを通じて以下のスキルが向上します。
- 英語の音を正確に聞き取る力(リスニング力)
- 聞き取った英語を一時的に記憶する力(短期記憶・ワーキングメモリ)
- 英語の正しい発音やリズムを再現する力(発音力)
- 英文の構造やまとまりを捉える力(チャンキング力)
これらのスキルはすべてシャドーイングにも必要なものです。つまり、リピーティングで土台を固めてからシャドーイングに進むことで、スムーズにステップアップできるのです。
リピーティングからシャドーイングへのステップアップ法
リピーティングに慣れてきたら、以下の流れでシャドーイングに移行していきましょう。
- リピーティング:音声を聞いて一時停止し、声に出す(まずはここから)
- テキストシャドーイング:スクリプトを見ながらシャドーイングする
- プロソディシャドーイング:スクリプトなしでリズムや抑揚を重視してシャドーイングする
- コンテンツシャドーイング:意味を理解しながらシャドーイングする
このように段階を踏むことで、無理なくシャドーイングができるようになります。焦らず、リピーティングからスタートすることが上達への近道です。
リピーティングの効果的な練習方法
リピーティングで最大限の効果を得るための練習方法をご紹介します。
ステップ1:素材を選ぶ
自分のレベルに合った素材を選びましょう。スクリプトを読んで8割以上理解できるものが目安です。最初は短い文(5〜10語程度)から始めるのがおすすめです。
ステップ2:まず音声を通しで聞く
いきなりリピーティングを始める前に、まず音声全体を通して聞いて、大まかな内容をつかみましょう。
ステップ3:1文ずつリピーティングする
音声を1文ずつ再生し、一時停止してから声に出します。このとき、できるだけ聞こえた通りの発音・リズム・イントネーションを再現するよう意識しましょう。
ステップ4:うまくできない箇所を繰り返す
うまくリピートできなかった箇所は、スクリプトを確認してから再挑戦します。同じ文を3〜5回繰り返すと、音の特徴やリズムが体に染み込んでいきます。
ステップ5:スクリプトなしで挑戦する
スクリプトを見ずにリピーティングできるようになったら、その素材は卒業です。より長い文や速い音声にレベルアップしていきましょう。
リピーティング練習にはアプリの活用がおすすめ
リピーティング練習を効率的に行うには、専用のアプリを使うのがおすすめです。一般的な音声プレーヤーでは1文ごとに手動で一時停止する必要がありますが、リピーティング専用アプリなら自動で区切り再生をしてくれるため、練習に集中できます。
アプリを活用するメリットは次のとおりです。
- 1文ずつ自動で一時停止してくれるのでスムーズに練習できる
- 再生速度を調整できるので自分のレベルに合わせられる
- 繰り返し再生機能で苦手な箇所を集中的に練習できる
- スキマ時間にスマホで手軽に練習できる
シャドーイングが難しいと感じている方は、まずリピーティング専用アプリで練習を始めてみてはいかがでしょうか。リピーティングで基礎力を固めてからシャドーイングに挑戦すれば、「できない」「難しい」という壁を乗り越えやすくなるはずです。
まとめ
シャドーイングができない・難しいと感じるのは、あなたの英語力が低いからではありません。シャドーイングはもともと通訳者向けの高度なトレーニングであり、難易度が高いのは当然のことです。
この記事のポイントをまとめます。
- シャドーイングができない原因は、スピード・音の変化・語彙力・同時処理の負荷など複数ある
- 対処法として、スクリプトの事前確認・速度調整・素材の見直しが有効
- それでも難しければ、シャドーイングの土台となるリピーティングから始めるのが効果的
- リピーティングで基礎力を固めてからシャドーイングに移行すると、スムーズにステップアップできる
英語学習で大切なのは、自分に合った方法で無理なく続けることです。シャドーイングにこだわりすぎず、リピーティングという選択肢も活用しながら、着実に英語力を伸ばしていきましょう。



